ぬか漬け(ぬか床)

ぬか床の作り方と手入れをぬかりなく徹底解説!

ぬか床の手入れ ぬかりなく

ぬか床の作り方と手入れは大切なポイントです。ぬか漬けを始めたいけどぬか床の用意が難しそう、ぬか床の管理が大変そうなど思う方も多いと思います。ここでは確実に美味しく気軽にぬか漬けを始めていただくために美味しいぬか床の作り方と、その後の手入れを徹底解剖していきます。

ぬか床とは

ぬか床とは米ぬかに水などの水分や塩、乾物などを入れて作られたものです。植物性の乳酸菌と適度な塩分を含んでいることにより、食物を発酵させる事や栄養を浸透させます。塩分があることで腐敗菌を抑制する効果もあります。

ぬか漬けの作り方

「ぬか漬け」の作り方は「ぬか床」に野菜などの食材を塩もみして入れて「ぬか床」を満遍なく絡ませて漬ける。そして、食材やぬか床の状態により半日〜2日待てば出来上がりです。作業としてはぬか床を作ってしまえば非常にシンプルですが、その後は温度管理が大変重要になってきます。例えば、温かい室温で管理すると乳酸菌や雑菌が増えすぎてしまい、酸っぱいぬか漬けになってしまったり、カビが生えたりする傾向にあります。室内の適温は20度前後と言われております。また、漬ける食材についても少し注意が必要です。生で漬ける野菜は先ずはきちんと水洗いします。その後塩でしっかりと揉み少し放置します。野菜から水が出てきたら漬け頃です。茹でてから漬けたい食材は、温かいとせっかく育てた乳酸菌を殺してしまうので注意が必要になります。乳酸菌は60度で死滅してしまいますので気をつけましょう。乳酸菌10度台はゆっくりと発酵、20度以上にて活発化します。20〜25度が適温、30度を超えると発酵が進みすぎてしまいます。(こちらの温度はあくまで乳酸菌の活動温度ですのでぬか床の保管温度とは異なります)例えばブロッコリーを漬ける場合は茹でてから漬けることもあります。その後よく冷ましてから漬ければ問題ありません

ぬか漬けの詳しい作り方・手入れについての詳しい記事はこちら>>

ぬか漬けの作り方 恵比寿ぬか漬け
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ぬか床を用意(必要な材料)
ーぬか床を始めるための材料準備

▼材料
・ぬか床の容器
・米ぬか1キロ
※スーパーでも見かけますし、自家製米しているお米やさんでも取り扱いがあります。
・水900ml
※水道水使用の場合は1度沸かして冷ましたものを使用。
・塩80g(米ぬかの使用量の8%程度)
・唐辛子(市販の丸ごとの物)5本
・昆布(市販の長さ20cm位)2枚
※しっかりと水洗いをしましょう
・捨て漬け用の野菜
※大根やカブの葉の部分やキャベツの外側の葉など。
※向かないもの調理の際にアク抜きを必要とするもの。例えば茄子やれんこんなど。
・実山椒10g
※粉のものでも代用出来ますが、最近ではスーパーでもあります。
・干し椎茸3個
市販のもので問題ありません。
・にんにく4かけ
・ビール200cc

▼作り方
①水、塩、昆布、干し椎茸、唐辛子、実山椒を鍋に入れて火にかける。(干し椎茸、鷹の爪、実山椒は細かいのでで食材をネット(100均一で買える排水口ネットのようなものに入れて置くと後々便利です。)

事前準備 食材 ネット食材を火にかける前

② ①が沸騰したら中火に変え、アクを取り除く。アクが取り除けたら火を消す。

沸騰 アク状態アク取り

③常温になるまで放置して冷ます。(冷ましながらダシが抽出されるので、冷蔵庫に入れたり氷で冷ましたりしない。)

冷ます

④大きなボールに米ぬかと③のダシ汁を全て入れて馴染むまでしっかり混ぜる。

⑤ ④にビールを入れて馴染むまでしっかり混ぜる。

だし汁 食材入れ 混ぜる工程とにかく混ぜる

⑥ ①の食材全てとにんにく(①と同じようにネットに入れる。)を⑤のぬか床にしっかり覆い隠されるように漬け込む。

とにかく混ぜる混ぜ終わり

⑦捨て漬け用の野菜を⑥のぬか床にしっかり覆い隠されるように漬け込む。

捨て野菜 in

⑧ぬか床の上面を軽く押しながら平らにする。

ぬか床完成 平らに

⑨陽が当たらなく涼しい場所(20度前後)にて保管をする。

保管場所

⑩2日後、捨て漬け用の野菜を取り出したらぬか床は完成。※この時点では乳酸発酵は未熟なため、いろんな野菜を漬けて育てる。

最後にぬか床の上面を軽く押しながら平らにして完成です。

最初の混ぜ方

最初の混ぜ方のコツは底の方にあるぬかを上に上げるようにして混ぜます。下から上へ大きく混ぜます。ぬか床を四角形のように角がある容器に入れている場合は角の混ぜ忘れに気をつけてください。これはぬか漬けの命である乳酸菌が空気を好むために行う行為なので大きく大きくを意識してください。

捨て漬け(方法や期間)

捨て漬けとは、出来たてのぬか床は無菌のため発酵が進まないので微生物などの菌を増やし野菜の栄養を入れていくために漬けることを言います。捨て漬けに向かない食材はアクがあるもの(茹でることでアク抜きをするもの)です。例えばれんこんなどの根菜類です。それはアクもぬか床に入ってしまうことが要因です。向いているものは葉物です。食べることも出来ますが主としての理由はあくまでぬか床に乳酸菌や栄養、適度な水分を取り込むことが目的ですので大根やカブの頭の部分やキャベツの外側の葉などが良いです。1日漬けて味見をすることを繰り返していくと発酵の進み具合も見られてお勧めです。

捨て漬けが必要な理由・方法についての詳しい記事はこちら

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育てる(繰り返し作業)

育てる(繰り返し作業)としては毎日底からしっかりと混ぜていきます。取り除いた捨て漬けの野菜は食べることは出来ますが発酵が進んでいないため昆布の風味が効いた塩気の強い漬物のような味がします。食べないほうが良いとしている方もおりますがぬか床の味の変化や発酵の進みを知るためにも食べてみることをオススメします。捨て漬けの野菜は2日使用して次は食べてみたい野菜を漬けていきます。まだ発酵が甘いですが2回ほど新しい野菜を入れて出し、混ぜると言った作業をすることでぬか床が育っていきます。

ぬか漬け完成


育てるための繰り返し作業をしていくと、ぬか床から酸味のある香りがします。合わせて漬けた野菜も食べてみるとぬか漬け特有のほのかに酸味のある味がしますので完成となります。

ぬか床の手入れ方法と保管

ぬか床の手入れ方法と保管について見ていきましょう。

ぬか床の手入れ方法

ぬか床の手入れ方法は混ぜることです。それは乳酸菌が空気を好むためしっかりと底から混ぜて、容器の下の方にあるぬか床と容器の上の方にあるぬか床を入れ替えるように混ぜていき空気を取り込んでください。タッパーのような四角い容器を使用している場合は角の方を忘れずに残さずに混ぜてください。混ぜ方をきちんと行うことで、後は保管場所さえしっかりとしていれば長く楽しむことが出来ます。1例ですが九州の小倉城下にある八坂神社では400年前のぬか床が今も継続して使用されています。

 

ぬか床の注意点・保管方法について

保管方法ですが昔は縁の下や軒下などにて常温よりなるべく涼しく暗いところに保管していました。その為腐敗菌が発生することを防ぐ目的で毎日混ぜていましたが、現在では冷蔵庫やエアコンなどの普及もあり20度以下であれば毎日混ぜなくても問題ありません。冷蔵庫に保管できるのでしたら2日か3日に1回混ぜていけば大丈夫です。
もし旅行などで長く混ぜられない場合は冷凍庫に保管して於けば2週間程度でしたら大丈夫です。戻すときは1日冷蔵庫にてゆっくりと解凍してください。
手入れと方法と保管で注意することは温度管理と直射日光を避けることです。
乳酸菌は空気を好み20度以下の環境が好きなので混ぜることと20度以下の低い温度は大切です。一方で雑菌は空気を嫌い高い温度を好みますので乳酸菌を育てつつ雑菌を増やさないためにもこの2つは気をつけましょう。

 

水っぽくなった際の対処

水っぽくなった際の対処としては2つ方法があります。

①新しい米ぬかを加えて混ぜる
②キッチンペーパーなどで水気を取る

①の場合は味が変わってしまうこともありますので、味見をしながら塩などを足してください。①、②どちらの場合でも発酵が進みすぎていることもありますので1日何も漬けずに置いてから対処するようにしてください。私達が毎日働き続けると疲れてしまうように生きた乳酸菌も活動し続けると異常を起こしてしまうので変だな?と感じたら1日休ませてあげると良いです。

カビが生えた際の対処

カビが生えたときの対処法は白いカビでしたらカビの生えた部分を少し深めに取って捨ててください。黒や青いカビの場合は残念ですが全て破棄して作り直しとなってしまいます。長く育てれば育てるほど愛着が湧いてくるぬか床ですから、こうならないためにも
温度管理と程よい混ぜは続けてください。

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ぬか床が減ってきた際の対処

ぬか床が減ってきときの対処は「追いぬか」をするです。米ぬか、水分、塩などを適量加えます。ぬかから食材をを出す時に少しずつ減ってしまいますから継ぎ足しは不可欠ですが、食材を取り出した際に100均などでも販売しているゴムベラを使用すると減る量も少なくて済むので便利です。

ぬか床は再利用できるの?

ぬか床は再利用できるの?野菜を漬けたぬか床は再利用できます。温度管理とその管理場所の温度に適した混ぜを繰り返して、ぬか床が少なくなったら追ぬかをすることで使い続けることが出来ます。実際に小倉の八坂神社には江戸時代から続くぬか床があります。

まとめ

ぬか床は温度管理と保管場所次第で想像以上に簡単に手入れと保管ができます。発酵食品のぬか漬けは日々少しづつ取ることで健康で快適な日々を過ごす土台の腸活を可能としますので是非始めてみてください。