今やぬか漬けは家庭で作るだけではなくスーパーなどでも買うことが出来てます。しかもぬか床でさえ米ぬかを使って1から作らなくても購入することが出来ます。日常の食卓にある『ぬか漬け』はいつから作られるようになったのか?ここではその歴史を紐解いていきます。
ぬか漬けの起源(2000年前、須須保利が由来)
ぬか漬けの起源は平安時代まで1度遡(さかのぼ)ります。それは漬須須保利(すずほり)と言われる漬物が始まったことによります。
須須保利は平城京跡より出土した木簡に記されている現在最古の漬物。臼で細かくした穀物や大豆を塩と混ぜて床にしたものでぬか漬けの原型と推測されています。
『ぬか漬けの起源』
平安時代まで遡る。漬須須保利(すずほり)と言われる漬物が起源
漬物の発展(奈良時代から平安時代)
漬物の発展は奈良時代から平安時代にかけて進んでいきます。平安時代になると宮中行事も華やかになっていきます。当時、野菜は高価なもので貴族などしか食べられなかったものでした。大陸との交流も増えていき様々な調味料なども入り漬物の種類も増えていきました。
ぬか漬けの本格化は江戸時代から
ぬか漬けの本格化は江戸時代からです。精米の技術が高くなってきた江戸時代に玄米から米ぬかを分けられるようになったからと考えられています。そして「たくあん漬け」の沢庵和尚が1573年〜1646年の生涯だった事も合わせて考えると合致しています。
ぬか漬けの普及
ぬか漬けの普及は北九州の小倉城と言われています。江戸時代、小倉城城主の小笠原忠真が好んでぬか漬けを食べており、この美味しい漬物をみんなに食べさせたいといったことがきっかけで小倉城の城下町に広まり庶民にも広く愛されるようになりました。
白米の普及とぬか漬けの浸透(脚気)
白米の普及とぬか漬けの浸透は深く関わりがあります。江戸時代に精米技術が発展したことで玄米から白米に主食が変わっていったこの時期に「脚気(かっけ)」が流行りました。脚気はビタミンが不足することによる病と言われていてぬか漬けを食べることで症状が収まったとも言われています。当時栄養学などでは未知の段階だった事も自然とビタミンの多い「ぬか漬け」を食生活に入れることで病を防いでいました。こうして江戸城下にもぬか漬けが広まっていきました。
まとめ
ぬか漬けが現在のように家庭に広まるまでの歴史はお分かり頂けたかと思います。様々な歴史と発展の中でぬか漬けは根付いたと言えます。380年続くぬか床があるので皆様も大切に育てていって家庭の歴史としていきましょう。
これからぬか漬けに挑戦する方は「ぬか漬けの作り方」で失敗しないぬか漬けをお楽しみ下さい。