ぬか漬け(ぬか床)

ぬか漬けの作り方を初心者でも分かるように解説!材料や手入れについても

ぬか漬けの作り方 恵比寿ぬか漬け

ぬか漬けが今「美容」や「免疫力向上」に良いということで話題になっておりますが、それは「ぬか漬け」の乳酸菌が生きて腸まで届くことが理由の一つとされております。こちらの記事ではぬか漬けの作り方や手入れ、健康に良い理由など初心者の方でも分かるように解説させていただきます。
ぬかライフでは、日本の古き良き伝統である「ぬか漬け」の良さを若者から年配の方まで気軽に親しんでもらい、皆が健康なライフスタイルを手に入れてもらえるように様々な情報を発信していきます。

ぬか漬けとは

「ぬか漬け」とは米ぬかを発酵させて作った「ぬか床」に野菜などの食材を漬けて作られる400年以上の歴史のある日本発祥の漬物です。
「ぬか漬け」を食べることで腸内環境が整い、免疫力を高めることで注目されています。
それは「ぬか漬け」の植物性の乳酸菌がヨーグルト等に多く含む動物性の乳酸菌より生きて腸まで届くからです。乳酸菌が生きて腸まで届くことで、腸内にたくさん存在する免疫細胞が住みやすい環境を作り出し免疫力をあげる効果に繋がります。
また腸内環境が整ったことで、米ぬかに多く含まれ美容に良いとされるビタミンB群やビタミンEの吸収が良くなることで美容にも効果があるとされてます。
ぬか漬けが作られた当初は保存食としての役割が強かったですが、昨今は栄養学の進歩により、健康食として見直されるようになりました。

ぬか漬けの作り方

「ぬか漬け」の作り方は「ぬか床」に野菜などの食材を入れて「ぬか床」を食材に満遍なく絡ませて漬ける。そして、食材により半日〜2日待てば出来上がりです。作業としてはぬか床を作ってしまえば非常にシンプルですが、その後は温度管理が大変重要になってきます。
例えば、温かい室温で管理すると乳酸菌や雑菌が増えすぎてしまい、酸っぱいぬか漬けになってしまったり、カビが生えたりする傾向にあります。室内の適温は20度前後と言われております。
また、漬ける食材についても少し注意が必要です。
温かい食材は乳酸菌を殺してしまうので下処理が必要になります。例えばブロッコリーを漬ける場合は付ける前に茹でますが、その後よく冷ましてから漬ければ問題ありません。

ぬか床の作り方

基本的なぬか床の作り方は次のものを準備します。

材料
・ぬか床の容器
・米ぬか1キロ
※スーパーでも見かけますし、自家製米しているお米やさんでも取り扱いがあります。
・水900ml
※水道水使用の場合は1度沸かして冷ましたものを使用。
・塩80g(米ぬかの使用量の8%程度)
・唐辛子(市販の丸ごとの物)5本
・昆布(市販の長さ20cm位)2枚
※しっかりと水洗いをしましょう
・捨て漬け用の野菜
※大根やカブの葉の部分やキャベツの外側の葉など。
※向かないもの調理の際にアク抜きを必要とするもの。例えば茄子やれんこんなど。
・実山椒10g
※粉のものでも代用出来ますが、最近ではスーパーでもあります。
・干し椎茸3個
市販のもので問題ありません。
・にんにく4かけ
・ビール200cc

作り方
①水、塩、昆布、干し椎茸、唐辛子、実山椒を鍋に入れて火にかける。(干し椎茸、鷹の爪、実山椒は細かいのでで食材をネット(100均一で買える排水口ネットのようなものに入れて置くと後々便利です。)

事前準備 食材 ネット食材を火にかける前

② ①が沸騰したら中火に変え、アクを取り除く。アクが取り除けたら火を消す。

沸騰 アク状態アク取り

③常温になるまで放置して冷ます。(冷ましながらダシが抽出されるので、冷蔵庫に入れたり氷で冷ましたりしない。)

冷ます

④大きなボールに米ぬかと③のダシ汁を全て入れて馴染むまでしっかり混ぜる。

⑤ ④にビールを入れて馴染むまでしっかり混ぜる。

だし汁 食材入れ 混ぜる工程とにかく混ぜる

⑥ ①の食材全てとにんにく(①と同じようにネットに入れる。)を⑤のぬか床にしっかり覆い隠されるように漬け込む。

とにかく混ぜる混ぜ終わり

⑦捨て漬け用の野菜を⑥のぬか床にしっかり覆い隠されるように漬け込む。

捨て野菜 in

⑧ぬか床の上面を軽く押しながら平らにする。

ぬか床完成 平らに

⑨陽が当たらなく涼しい場所(20度前後)にて保管をする。

保管場所

⑩2日後、捨て漬け用の野菜を取り出したらぬか床は完成。※この時点では乳酸発酵は未熟なため、いろんな野菜を漬けて育てる。

最後にぬか床の上面を軽く押しながら平らにして完成です。

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最初の混ぜ方

最初の混ぜ方のコツは底の方にあるぬかを上に上げるようにして混ぜます。下から上へ大きく混ぜます。ぬか床を四角形のように角がある容器に入れている場合は角の混ぜ忘れに気をつけてください。

この時に味付け用の食材を網に入れておくと混ぜやすくて便利です。

捨て漬け

捨て漬けとは出来たてのぬか床は無菌のため発酵が進まないので微生物などの菌を増やし野菜の栄養を入れていくために漬けることを言います。
捨て漬け用の野菜をぬか床から見えないようにしっかりと中に入れて漬けます。大体2日くらいでぬか床に乳酸菌が住みついていきます。

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育てる

育てる(繰り返し作業)としては毎日底からしっかりと混ぜていきます。取り除いた捨て漬けの野菜は食べることは出来ますが発酵が進んでいないため昆布の風味が効いた塩気の強い漬物のような味がします。食べないほうが良いとしている方もおりますがぬか床の味の変化や発酵の進みを知るためにも食べてみることをオススメします。捨て漬けの野菜は2日使用して次は食べてみたい野菜を漬けていきます。まだ発酵が甘いですが2回ほど新しい野菜を入れて出し、混ぜると言った作業をすることでぬか床が育っていきます。

乳酸菌が均等に育つように上層と下層のぬか床をきちんと入れ替えることが重要です。

完成

育てるための繰り返し作業をしていくと、ぬか床から酸味のある香りがします。合わせて漬けた野菜も食べてみるとぬか漬け特有のほのかに酸味のある味がしますので完成となります。

ぬか床の手入れ方法と保管

ぬか床の手入れ方法は「毎日混ぜる」とされていますが、それは昔の話です。冷蔵庫などが無く軒下などにて常温の暗いところに保管していた時代に菌が発生することを防ぐために行っていた先人の知恵です。現在も常温での保管であれば毎日混ぜることは必要ですが冷蔵庫に保管できるのでしたら2日か3日に1回混ぜていけば問題ありません。
もし旅行などで長く混ぜられない場合は冷凍庫に保管して於けば2週間程度でしたら大丈夫です。戻すときは1日冷蔵庫にてゆっくりと解凍してください。
手入れと方法と保管で大切なことは温度管理と直射日光を避けることです。
乳酸菌は空気を嫌い20度以下の環境が好みなので混ぜることで20度以下の低い温度は大切です。一方で雑菌は空気と高い温度を好みますので乳酸菌を育てつつ雑菌を増やさないためにもこの2つは気をつけましょう。

ぬか漬けにおすすめの野菜

ぬか漬けはどんな野菜とも相性がよく大体の野菜は漬けることが出来ます。
きゅうりや大根などは有名ですが、レンコンやさつまいもなども下処理さえしっかりと行いさえすれば美味しく漬けることが出来ます。

きゅうり

きゅうりはぬか漬けに王道の野菜です。固さや水分保有量での違いはありますが、まずは水洗いをして塩もみします。きゅうりの表面から水が出てきたら漬けられる状態です。
この状態でも漬けることは
可能ですが、きゅうりの端を持って軽く振って固さがなくなってフニャフニャと揺れる状態まで待つと1日でしっかりと漬かります。

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白菜

白菜はそのままでも、茹でても大丈夫ですが1日で仕上げるのであれば、さっとボイル(沸騰したお湯に1分程度)することで芯にもきちんと味が入ります。
ボイルする前に楊枝などでプスプスと穴をあけるとより漬かりやすくなります。
1日で仕上げると緑色が残り見た目にもよく仕上がります。
ボイルしない場合は2日漬けることで仕上がります。

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大根

大根は生のままで味の入りや、発酵には問題ないです。厚めに皮を向き、しっかりと塩もみして水分を野菜から出すことが大切です。そのことで抜けた水分のところにぬか床の成分が入り1日で仕上がるようになります。

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茄子

茄子のぬか漬けは色が鮮やかに仕上がらない、ぬか床に写ってしまった色は大丈夫か?中まで味が入りにくいなどありますが、ヘタを取り、縦に半分に切ってから漬けると味は満遍なく入りやすいです。細い茄子などは楊枝で下側の太い部分を数箇所指してから漬けても味は入ります。
色に関しては塩もみをしたあと10分くらいは放置、たっぷりと茄子の表面に水が出てきたら拭き取って漬けることで色鮮やかに仕上がります。(ただし3日以上漬けて古漬けにした場合は除きます)
ぬか床に色が移りますが自然の色素なので混ぜてしまって問題はありません。ただし、漬ける時に他の野菜を近くに漬けると色が移ってしまうので注意してください。

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人参

人参はもともと生でも食べられるのでそのまま漬けて問題ありません。皮を剥き縦に半分に切ってから漬けるとしっかりと漬かります。
固いことに抵抗ある場合は薄く切るか隠し包丁など入れてみてください。ボイルして冷ましてから漬けるとほんのり甘みも出て柔らかく仕上がります。

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ぬか漬けは健康にも良い

なぜぬか漬けは健康に良いのか?それは生きて乳酸菌が腸に届くことで消化酵素を助けて腸内環境を酸性寄りにしていき善玉菌を増やすことで、整えていきます。腸内環境が整うことで免疫細胞が腸内には沢山存在しているため、免疫力の向上に繋がります。また栄養の吸収が良くなる為、血液がサラサラとなり循環しやすくなります。そのことで体の隅々まで血行が良くなり肌の代謝や潤いに影響を与え美容にも効果があります。

生きた乳酸菌が腸の働きを助ける

生きた乳酸菌がなぜ腸の働きを助けるのか。それは乳酸菌は腸を通る時に乳酸を作り腸内を酸性寄りにしていく効果があるからです。酸性になることで善玉菌が住みやすい環境となっていくので生きた乳酸菌を取ることで腸の働きを助けます。
ただし乳酸菌は体内に留まることは出来ないため継続的に取り込む必要があります。
そのため自宅でも気軽に出来る「ぬか漬け」が話題となっています。
そしてぬか漬けの乳酸菌は強いので生きて届きやすい事でも注目されています。
ヨーグルトとなどの乳製品にも乳酸菌は存在しますが、ぬか漬けの乳酸菌の方がより良いものなのかというと、乳酸菌の強さが違うことです。これは「美と若さの新常識」でも取り上げられておりますが胃や腸の消化液に強いことが理由です。そのため生きた乳酸菌が胃腸を通過しながら善玉菌の住みやすい環境を作り上げていくからです。

ビタミンが豊富B群、E

ビタミンは身体の循環機能に役立つ栄養素ですから内側からはもちろん外側にも健康的なアプローチがありますので健康体を維持する上で必要な栄養素です。中でもぬか漬けにはビタミンB群やビタミンEが豊富に含まれます。それは米ぬかの栄養素が野菜に入ったものを食べることで体内に取り入れられるからです。ビタミンには下記のような代表的な効果があります。

ビタミンB1…糖質の代謝に必要な物
ビタミンB2、B6…皮膚や肌を健康に保つ物
ビタミンE…活性酸素を取り除く効果がある物

では玄米ではだめなのかと思う方も多いと思います。だめではないのですが玄米は消化に良くないこともある為あまり多くを食べることが出来ません。消化に影響があるので消化分解酵素を使用してしまい栄養の吸収は遅くなります。ぬか漬けは発酵食品のためある程度の分解が進んだ状態になりますので栄養の吸収が早い事もあり玄米を直接食べるより効果は大きいです。
※1部玄米には発芽毒があると言った記事もありますが心配はないです。

まとめ

ぬか漬けはここまで記述したように自宅では難しいと思わがちれている「ぬか漬け」ですが意外と手軽に簡単に出来てしまう事はご理解いただけたと思います。江戸時代より続く日本の古き良き伝統食である「ぬか漬け」は腸内を中心に身体に良い効果を沢山取り入れられます。是非、生活に取り入れて健康なライフスタイルを皆で過ごしていけるように、恵比寿から今後もぬか漬けや健康食を様々な角度からお届けしていきます。